臨床症状
外見的特徴
タナフォフォリック骨異形成症(以下TDと記載)は著明な四肢長管骨の短縮を認め、これは特に近位肢節(大腿骨や上腕骨)に著しい(rhizomelic shortening)所見を示します。頭蓋骨は比較的巨大頭蓋macrocephalyを示し、前頭部突出と鼻根部の陥凹が顕著です。胸郭は低形成でこれによる呼吸不全症状を示します。また腹部膨満と相対的な皮膚過剰による四肢皮膚の皺壁などが特徴です。
出生後は呼吸不全のため、呼吸管理を行わない限り、早期に死亡することがほとんどですが、呼吸管理を行った場合には、長期生存した例が報告されています。
X線所見
顔面と頭蓋底の低形成、大きな頭蓋冠と側頭部の膨隆、前頭部突出が特徴であす。肋骨の短縮により胸郭は著しく低形成で、細長型となります。肋骨も含め長管骨は著しく弯曲しており、特に大腿骨は、正面像で電話の受話器様の変形を示すことから、telephone receiver 様と称される特徴的な所見を示します。また長管骨の骨幹端は拡大し、いわゆるcuppingやsplayingという所見をみます。脊椎は扁平化し、正面像では逆U字型やH字型を呈しますが、椎間腔は保たれています。鎖骨は高位で、肩甲骨は低形成です。骨盤は腸骨翼の垂直方向の低形成により方形化を示し、臼蓋は水平化、坐骨切痕の短縮がみられます。