致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究班

 このホームページは厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患克服研究事業・致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究班の紹介と、致死性骨異形成症を中心に妊娠中にみつかる先天性の骨疾患(多くは骨系統疾患)の診断と予後についての情報提供を目的としています。

                               更新:2012年10月3日

致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究班の概要

 致死性骨異形成症thanatophoric dysplasiaは、その名称からも示されるように、従来は出生後早期に亡くなるとされてきた重症の先天性の骨疾患です。そのため妊娠中に胎児がこの病 気であることが疑われたり、出生後に診断されたりしても、積極的に診断や治療が行われないこともありました。

 しかし、実際には適切な呼吸管理を行うことで、長期に生存が可能な場合もあることが少しずつわかってきました。しかし妊娠中から出生後の致死性骨異形成症の児の経過やその後の発達についてはわからないことが多いのが実情です。

 そこで私たちは厚生労働省の難治性疾患を克服するための研究費「厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患克服研究事業」のひとつとして研究班「致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究」を結成し、致死性骨異形成症や他の重症の周産期致死性とされる骨疾患について、妊娠中と出生後の正確な診断と適切な児の管理を目指して研究を行うことにしました。

致死性骨異形成症の患者さんの発育調査のお知らせ

<患者さん・患児の発育調査> New!!
 研究班では、全国の患者さんの人数の調査、疾患名の変更の学会への提起 などを行ってきました。名称改訂の件は現在討議中ですが、実現可能性が高いです。
 新たに、致死性骨異形成症のお子さんで1歳以上になられたお子さんの発育調査を行っています。原則として、1歳以上のお子さんで、ご家族の同意をいただいたうえで、主治医の先生にお話しを伺います。こちらから調査担当者(産科医か遺伝カウンセラー)が主治医のもとに伺ってカルテを見ながら発育の状況、病気のこと、検査データ、レントゲンなどの情報をお教えいただきます。これらの情報は個人が特定できないようにして、解析して公表します。
 このご病気は出生後すぐにお亡くなりになることも多く、1年以上にわたり生活されている方の情報はほとんど明らかになっていません。多くの患者さんの状況がわかれば、新たにお生まれになった患者さんのご家族や主治医の先生にとってとても有益な情報になるはずです。また当研究班では京都大学iPS細胞研究所とも連携して致死性骨異形成症の患者さんからのiPS細胞樹立による治療方法や治療薬の開発も目指しています。
 この発育調査にご協力いただけるご家族や担当医の先生を探しています。ご連絡をお待ちしています。

胎児の骨系統疾患についての連携して診療や研究にあたる試みはいま始まったばかりです。
胎児の骨系統疾患についての連携して診療や研究にあたる試みはいま始まったばかりです。
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